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中野JC ブログ

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振り返れば、2006年の秋頃、JCの平日幹事会で新宿の中華居酒屋で飲んでいる時、井下さんから『来年2007年2月にマレーシアのランカウイというリゾートでIRONMANがあるけど、9/1までに申し込めばなんと$250の割引でエントリーできるらしい。最悪仕事でいけなくなっても$250なら諦めもつくから一緒に行かないか?』、これが私のRoad to Konaだった。この2007年マレーシアをデビュー戦に、それからロングのレースを中心に2007年の佐渡タイプA、2008年の長崎五島IRONMAN Japan、昨年のIRONMAN Lake Placid、そして先日のIRONMAN Louisvilleを経て、4年目にしてKonaへの権利を獲得した。

Louisvilleが8/29に終わってKonaは10/9。約40日しかない中で、今住むNYからKonaへのフライト、現地での宿泊、それにそもそも休暇が取れるのかが危うかったので仕事の調整など、この40日はとてもKonaに向けてトレーニングやテーパリングしている余裕などなく、出向くための準備に奔走していた。9/20になろうという頃にようやくフライトもホテルも手配が整い、仕事も何とか電話会議で最大限参加していればこなせそうな目処も立ってようやく一安心の時にはすでにBikeをKonaに向けて発送しなくてはいけない期限前日で、慌ててTri Bike TransportというBike搬送業者に持ち込んだ。もう少し余裕があれば最後のLong Rideなどに出かけられたものの、そうも言ってられず一足先にBikeだけ出発することに。

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だいぶ秋めいて朝晩が肌寒いNYからはできるだけ早く現地入りして身体を慣らしておかないとレースで消耗が激しい、とGreenwich Triathlon Clubからこれまで3度Konaを経験している先輩にアドバイスを受け、5日前の10/4夜に、0.jpg日本へ向かって半分以上も戻るフライトで結構疲れながら現地入り(所要11時間)。翌日10/5から早めにRegistrationなど済ましてしまおうと思い会場中心地のキングカメハメハホテルに出向く。開始早々なのに多くの人で混雑していて、少々待ったがこれも楽しむうちのひとつと思いのんびり待って、エントリーを済ませ、なんとゴールドのリストバンドをつけられるとおぉKonaは違うなーなどと妙に感動する。終わってKailua-Konaの町に出ると、すでにIRONMAN色に染まっている街があった。メインホテル内には選手歓迎の巨大なMドットオブジェが飾られているし、こんな大きいTIMEXの宣伝や、RunコースになるAli'i Driveにはすでに多くの選手が最後のトレーニングで走っており、スポンサーが日中はこんな風にエイドステーションを出している。中心地のStarbucksにもこんなバナーがかかっていた。

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4.jpgLouisville後、ほとんどBikeに乗れていないので少しでも現地で乗って感覚だけでも取り戻そうと思い、翌日は先に送り出したBikeをピックアップしてQueen-K Highwayを軽く軽く90分ほど出かけた。すでに多くの選手が同じように調整で乗っていて、そんな我々のためにあちらこちらにこんな看板がドライバー向けに設置されている。
5.jpg翌日10/6はお昼から日本人選手向けに日本語でレース説明会があるとのことで、レース当日ナンバリング会場となるカメハメハホテルのテニスコートの仮設テント内でそれに参加。今年は少々少なめで65名の参加とのこと。
6.jpg暗くなってからゴール付近のAli'i Drivewを歩くと、多くのBarがライトアップされており、レース後ここで生ビール思いっきり飲みたいなーなどと思いを巡らす。 
 

10/7は朝からSwimのウォーミングアップに出かけて、噂に聞いていた沖に出ているボートからのKona Coffeeの振る舞いを体験してきた。Konaに行ったらこれをぜひ!と思っていたので、本当にKonaに来たなーというのを実感する。

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午後はIRONMAN Expoへ出かけ、スポンサーや協賛各社のブースに多くの人が集まり、試供品やサンプルを目当てににぎわっていた。

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夜はWelcome Party。カメハメハホテルの広大な駐車場に膨大な数の選手、家族、12.jpg関係者が入れる特設会場を準備し、大きな舞台でのReceptionに参加。
翌日10/8はいよいよレース前日で、慌しくバイク預託やトランジションバッグ預託で朝から準備に追われた。1093番の自分は第二部で2:30PMから。行ってみるとすでにトッププロのバイクも設置されていて、Craig AlexanderのBikeやChris LietoのBikeをこの肉眼で見た時はかなり興奮を覚えた。ただ置いてあるだけなのにとてつもない力強さを感じたのは気のせいだけではないはず。そんなうちにBike預託を終えるといよいよ準備完了で、ホテルに戻りがてらゴール地点へ。すでにゲートが設置されていて『明日は必ずここへ無事帰ってくるぞ』と意を新たにした。その後ゆっくりコンドミニアムに戻り、早めに食事を終え、9時にはベッドに入った。

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さていよいよレース当日。これまでのIRONMANでは、練習の総決算をレースにぶつけるためにかなり緊張感が張り詰めたレース当日を迎えていたが、今回は『参加することに意義あり、思いっきり楽しんで笑顔で完走!』を最初から決めていたので、非常にリラックスして3:30AMに目が覚めた、思ったよりぐっすり睡眠も取れた。電子レンジでできる赤飯とバナナ、パワーバーを摂り、BikeのSpecial Needsを準備。まだ暗い中5:15amにコンドミニアムを出発。表に出ると続々と選手がスタート会場に向かっており、さすがにちょっと緊張気味になる。
Konaでのもうひとつの楽しみは、17.jpgナンバリングが全員スタンプで手書きのマジックではなくとてもきれいにナンバリングしてくれること。何故か自分の中ではこれがKona!という思い込みがあって、4桁の1093をスタンプしてもらった時に少々感慨深くなる・・・。6:00amを過ぎるといよいよ回りも明るくなり、Swimスタート近辺は非常に多くの人で賑わう。そうこうしているうちに6:30amにプロがスタート。大きな号砲にいよいよ緊張も高まってくる。2010/9/1からWTCのレギュレーション改変で、Swimでウエットスーツが着用できない水温の場合、ラバー素材のSpeed Suitsは禁止になったため、例年よりも多くの人がトライパンツか水着だけで参加していた。自分もルール適合のSuitsも考えたが、昔見たKonaはみんなウエットなしで水着だったので、今回初回はそれにちなんで特に用意せず水着のみで参加。
7:00amのスタートを前に6:45amに入水。素晴らしい透明度に、指先さえも見えなかったケンタッキーのオハイオ川とのギャップがさらに喜びを倍増させ、気分よくウォームアップ。3分前くらいからスタート位置取りで佇むが、スタートに際してスターターからコメント。『ここにいる全員が今日必ずIronmanでゴールに帰ってくるよな?でも忘れてはいけない、今日そのためにこのスタート地点に立てるのは家族、両親、友人、恋人のサポートがあってみんなここにいられることを決して忘れるな!そして、無事ゴールが出来たとしたら、今日みんなを夜まで支える5,000人のボランティアのおかげだ。改めてみんなに感謝をしよう。』と・・・。流石に感極まってしまい、ゴーグルが涙で少々曇りかけてしまった。
 

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7:00amちょっと前に号砲。信じられないくらい透明で魚が気持ちよく泳いでいる海中を眺めながらスタート。しかしさすがにバトルが凄い!。なかなかスムーズに位置取りが出来ないので余計な動作が多くいたずらに心拍も上がるが、今回はEnjoy Enjoy!を自分に言い聞かせて、リラックスして泳ぐ。途中急に広々と泳げたり、そうかと思ったら大群が右から左から押し寄せてきたりで、これがKonaのSwimか、と妙に感心しながら折り返しへ。復路は多少のうねりに乗りながら、大きなバトルも解消されとても気持ちよくフィニッシュ。楽しんだだけあってちょっと時間がかかり、1:05。

しかしTransition Areaのすさまじい混雑。怒号こそ飛び交わないものの、とてもピリピリした雰囲気に少々驚きながら、あまり焦ることなくT1を終えてBikeラックへ。結構多くのBikeがないことで、やっぱりレベルが高い!を痛感。20.jpgコースは簡単に言うと最初Konaの市街を少々回り、その後北に50マイル往復する。Bikeスタート直後はやはりレベルが揃っているせいか、非常に多くのパック走行となっていた。市街地を出てひとたびQueen-K Highwayに出ると果てしなく続く直線を指すような日差しを浴びながらもくもくと踏み続ける。眼前に広がる溶岩地帯を視界に『これぞKona!』と今自分がそこでレースをしていることに感激を覚えながら踏む。しかし同時に、自分のBikeの力の足りなさを痛感。面白いように後ろからパスされ、自分がパスすることはハヴィの折り返しまではほとんどなかったように記憶している。ハヴィの折り返しではまさにKona名物として聞かされていたKona Windが山側からとてつもない勢いで吹きつけ、最初の一発は本当に想定していなかったので危うくハンドルを取られコントロールを失って落車しそうになった。ただ冷静に、これがあのKona Windかと、体験できたことを嬉しく思う。その頃トッププロ選手とちょうどすれ違う。テレビや雑誌で見るとてもきれいな理想的なフォームで疾走して行く姿は、同じコースでレースできているその事実だけで少々疲れを忘れるくらい感慨深かった。21.jpgBikeもハヴィの折り返しでは予想通りの体力の消耗も感じつつも、Special Needsを慌てることなく手にし、今度は反対側から再びKona Windを受けながらKonaを目指す。しかしここからは折り返しに来るまでよりも本当に長く感じた。恐らく溶岩地帯の殺風景な景色に精神的に集中力が維持できていなかったためと思うが、往路よりも数倍きつく長く感じた。80マイルを過ぎたあたりから、いよいよ足が回らなくなり、Louisville以降ほとんどろくにBikeに乗っていなかったから当然の結果と妙に納得しつつも、ここに来てまだパスされるとさすがにめげてしまう。そんななかでも、まだRunがあることと最後までEnjoyするためにはまだまだ精神的に元気でなくてはいけないと気持ちを引き締めなおし、何とか無事5:32でBikeをFinish。自分の実力としては思ったより悪くなく多少気分を良くしたが、トランジションエリアに戻ったときにBikeスタートの時にすでになかったBikeの数をはるかに上回るBikeが戻ってきているのを見た時には、やっぱりBikeがまだまだ課題だと実感・・・。
 

T2のトランジションは予定よりも少々時間がかかってしまった。というのは、ゼッケンベルトで留めていたゼッケンの片方の穴が千切れてしまい、ゼッケンベルトが1点でしかゼッケンとつながらなくなってしまったので応急処置に時間をとってしまった。せっかく初めてのKonaなのに、もしゼッケンが取れたりしたらゴールでゼッケンがないのは寂しいと思い、冷静に応急処置。Sun Screenも念入りにたっぷり塗ってもらいいざRunスタート。Run走り始めは思ったよりBikeでの脚へのダメージを感じず、比較的軽やかに進む。22.jpg最初の10マイル(16キロ)まではなんと4:40/キロ平均だったので、無意識のうちに飛ばしすぎていたことになる。というのもBikeでがんがんパスしていった選手達が面白いように前から落ちてきて、中には歩いている人を見たりすると、Bikeでなんとも太刀打ちできなかった悔しさを晴らすことが出来たような気がして余計快調に飛ばしてしまったように思う。しかし後半はそうも行かなかった。Ali'iドライブを終了しBikeで通ったQueen-K Highwayに出てまもなくすると、急激に疲労が増し、それを予期してBike後半からこまめに補給を怠らなかったのにもかかわらずがっくとスピードが落ちてしまった。これまで経験したことのないブレーキのようなもので、気持ちは前に向いているものの、どちらかというと心肺機能がついてこない感覚と、あと胃が補給したものを消化していない感じがした。でも必ず”完走”をするためにゼッタイ歩くことだけはしないといつも心に決めているので、スピードはさほどかわらなくとも”走り”続けた。すれ違うトップエイジグループの選手らもかなり苦しそうで、逆に同じように頑張らねば、というガッツを貰いながら折り返しのあるNatural Energy Labの敷地に入るくだりで少々楽になる。折り返しを過ぎればのこりあと10Km!と距離の上ではかなりゴールに近づいていたが、精神的にはこの10Kmが果てしなく遠いゴールに思えた。快調だった16キロ地点以降この折り返しまでは、多少上りがあると言っても、なんとがくっと5:35/キロまでペースが落ちていた。最後の10キロは概ね下り基調。といってもかなりダメージ募っていて、エイドのボランティアに返すお礼の笑顔も怪しくなってきた。この最後の10Kmは本当に我慢我慢の走りで、とにかく歩かず、最後ゴールでは笑ってゲートをくぐれる余裕も残しながらいよいよKonaの街へ。
 

残り約800m。Ali'iドライブまで戻ってくると、左右沿道からの割れんばかりの応援を受け、24.jpgそれまで止まりそうになっていた両足も生き返ったようにゴールゲートに向かう。応援に来てくれた家族はSwimスタートから要所要所で終日応援してくれていたが、最後はゴールゲートまでの花道でハイタッチをすることを約束していたので、家族の姿を探す。すると大きな声で左から手を振る3人を見つけ約束通りハイタッチ。そしてついに夢にまで見たKonaを無事完走した。23.jpgRunは3:36でくじけそうになった割にはLouisvilleよりも多少良いタイムに満足。ゴールタイムも10:26で723位と、最後の準備不足とはじめてのKonaを楽しめた結果としては満足のゴールだった。
 

さてレースを振り返ってみて、やはりKonaは特別だと思った。このレースに参加できるまで選手それぞれが至った経緯はもちろん、World Championshipとしての演出、盛り上げ、またPhysically Challengedのカテゴリーで出場されている方の頑張り、本当に多くの国からの参加による多様性、どれをとっても多くの”特別”がある大会だった。これからレースを続けていく上で、いつあと何回またKonaの地を訪れることが出来るかわからないが、次回はもっと余裕を持ってSlotをQualifyし、万難を排してレースに臨んでみたい。それにしても流石にKona。Louisvilleとほぼ同じタイムにもかかわらず、順位はなんと700番台。Slot獲得もRolldownでようやく手に入れたので参加選手の中では当然と言えば当然だが、こんなにまで選手層が厚く、Competitiveな現実を目の当たりにして、Konaに参加するだけで満足しているようではまだまだだなーと少々自分の甘さを自戒したレースでもあった。
 

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おまけPhotoです。
 

31.jpg Defending ChampionのCraigを破って優勝したChrisのRun
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残念ながら4位に終わったDefending ChampionのCraig。
このフォームで2:40でRunを駆け抜けています。信じられません・・・。

 

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よく頑張りました

アイアンマン・ハワイの完走、おめでとう。
貴君のアスリート人生にとって、素晴らしい記念碑を築かれたことと思います。
レポートも大変、楽しく、興味深く、読ませてもらいました。
写真も沢山あって、参考になりました。
そのうちバイクライドの写真ですが、大分、前乗りの感じですね。もっと腰を引いた方が、ロングライドの場合は楽だと思います。
でもまあ、完走したから、いいか。
帰国の際は、アイアンマンのグッズを楽しみにしているよ。

ありがとうございます

島田さん、ありがとうございます。
バイクのポジションはここ数年かなり試行錯誤した結果で、ランの基礎がない私ができるだけ大腿四頭筋にストレスを残さないままバイクを終えるために自分の感覚で現時点ではベストと思っております。ランの基本ができてない分、本質的な対応ではないと思っていますが、今のところ記録のためのBest Optimized Positionかと・・・。
ただこういった根本的な部分を改善しないとサブ10の仲間には入れないのでしょうね・・・。
まだまだ発展途上です。

お疲れ様でした!

大島さん

すばらしい体験でしたね!
お子様達も一緒だったのですね。
頑張ってるパパの姿、きっと誇らしく感じたでしょうね。
仕事や子育てが忙しくても、好きなことは続けられるという勇気を頂きました。
日本に帰ってきたらぜひお話聞かせてくださいね。

ありがとうございます

経済的にはかなり出費になりましたが、一生に一度あるかないかの家族イベントと思って皆で出かけました。子供達なりにいろいろ感じ刺激を受けたようで、思い切って出かけて良かったと思っています。
帰国の折にはBlogでは表現できなかった様々なことを口頭レポートしますのでどうぞご期待を!
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